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mamirt
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料理の苦手な妻
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[職人の母:さち裁縫室]
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小田急線、参宮橋駅だったか、
男子トイレよりファスナーを上げながら駆け出して
電車に飛び乗ったおじさんの一部始終を見てしまった。

つまり、トイレの出口と電車のドアは向かい合ってて、
目線はまっすぐ電車に向けながら、
ドアを閉めることを告知するベルの中、
左手でズボンを押さえ、右手でファスナーを上げつつ
小走りで電車に飛び乗ったおじさんだ。

あの駅は各駅しか停車せず、しかも次に来るのは10分後。
飛び乗りたい気持ちはわかるけどさ。

無事に乗車し、あたりを見渡したおじさんと
5mほどの距離をはさんで目が合ってしまったとき
こちらは何も悪くないのにハっとして目線をそらしてしまった。


気にも留めない日常の、気になる場面。
ココにあえて取り上げると、ちょっとした特別な光景になるね。

たとえそれが社会の窓を閉めつつあるおじさんであっても。

 

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我が家の家具は、それぞれの実家から持ち出したものか、
そうでなければIKEA製である。

IKEAsはどれも大変重宝しているが、なかでもソファは
我が家に転がり込んで、
いや、遊びに来てついつい泊まってしまう人の簡易寝どころとしても
大変勝手のよい代物だ、とおもっている。

ソファを買った当初、カバーをソファ本体にかけるのにひどく苦労をした。
ほんとうにこのカバーはこのソファようのものなのだろうか。
カバーというものは、これほどぴったりに作っちゃいけないだろう。
もしかしたら入らないのではないか。

ソファにカバーをかけるという、ただそれだけの作業に
夫婦ふたり、手伝ってくれた友人ふたりと
文字通り悪戦苦闘した。

茶と白の入り混じった柄であったが
そのためかよごれがわかりづらい。
たぶん、というか、確実に、
汗やらよだれがしみこんでいるに違いない。
洗濯したい、取り替えたいと思いながらも
あの悪戦苦闘をまたやるのかと思うと二の足を踏んでいた。

でも、かれこれ1年半も使ってる。
さすがに、もう、許せない。
次に車を借りたときは、IKEAに行こうとだんなを誘い
昨日やっと買ってきた。

このたびは茶色を選択。
濃い茶色。チョコレート色。

カバーかけの作業は、
以前のものとの素材の違いか、さほど苦労なくおわった。
帰宅して行ったものだから0時をまわっていたが。

なかなか洗濯しない事を反省点にそのうえに布をかけることにした。
なにやらちょうどいい、ひざ掛けとして売っていた布地も一緒に買い
今朝一番で洗濯、乾いたらかけようと考えている。

だいぶ雰囲気の変わった、我が家の一角。
どうぞご内覧あれ。


惚気ていいっすか。
いやぁ、たまにはピンクなネタも登場させないとサ。
夫婦生活うまくいってるかなって心配されると困るじゃん?

たいしたことじゃ、ないの。
ううん。ちっとも。
でもね、さりげなくいうのよ。

なんていうかって?
うふ。それがね。

麻美が髪切りにいくでしょ?
美容院に行くわよね。
お気に入りの美容師さんがいてね、
そのためにわざわざ池袋まで行くんだけどサ。
そうなると、休日の数時間はダンナを置いてけぼりのさせちゃうじゃない?
ちょっと心苦しいんだけどサ、しかたないわよ、
あたしだって、髪を切りにくらいいくもの。

そう、それでね、
家を出るとき、いつもどおり「行って来ます」っていうの。
そうするとネ、ウチのダンナったら、
「かわいくなっておいで」っていうのぉ。

「いってらっしゃい」じゃないのよ。
代わりにネ、「かわいくなっておいで」っていって送り出してくれるの。

ねーっ、いいダンナでしょう?
アタシったら、シアワセだわぁ。




って、いう日記は、たまにはどうかしら。

声をかけられた。
「初台の駅は、まっすぐですか?」

声の主は年配の男性。
その質問を発した口からは
決して美しいとは言いがたい歯並びのさまが覗いた。
手には丈夫そうな、でも折り目は乱された小さな紙袋。
谷折りであるはずの紙袋の側面が、山折りになっている。
身なりに無頓着なじーさんがちょっとそこまで行って、
その帰りといったカンジだ。
ヒールを履いている麻美より背が低い。

道を聞いてきたその地点は山手通りの歩道。
道を一本入れば住宅地。
決して「声をかける」のに適した場所でもなければ、
「声をかけられる」ことを想定するような場所でもない。

「京王線の初台の駅は、まっすぐですか?」
「初台、ですか?」

思わず聞き返した。
その地点からの最寄は小田急線代々木八幡駅。
初台の駅なんてその地点から2km弱ある。
行き先がどこかは知らないが、どちらに乗っても新宿には着くのだから
この年配の男性が歩いていくのなら近い駅のほうがいいと思い、
代々木八幡のほうが最寄ですよ、と半ば指をさすように返した。

「東大前から歩いてきたんですけどね、財布をなくしてしまって。
交通費もないものですから。」

山手どおりの騒音をBGMに、そう彼は話した。

「このあたりのかたですか?」
「いやぁ、すみません、着いたらすぐにおくりますから」
「千葉のほうまで帰るので、2000円くらいかな」

老人の言葉の何がきっかけになったのかわからないが、
日が暮れたなか、光を求めて歩道の端により、
何の意識もなく、麻美は財布を取り出した。
千円札が一枚と五千円札が一枚。
さすがに五千円札は渡せず、千円札をわたした。

紙とペンを取り出して返金先の住所を聞こうとする老人に対し、
いや、いいですよ、気をつけて、と、別れを切り出し
そして別れた。

振り返ることなく歩くが、頭の中には「?」が浮かぶ。

なぜ見知らぬ人にお金を渡すようなことをしたのだろう。
なぜ老人は私に声をかけたのだろう。
なぜ初台なのだろう。でも、千葉なのだろう。
怪しむポイントは満載だったのに、
なぜああも自然にサイフに手が伸びたのだろう。

なぜだろう。なぜだろう。
なぜだろうという思いを通り越して
なんだったんだろう、と思う。

老人がたとえ詐欺だったとしても、浮浪者だったとしても
彼の心が痛まなければ、まぁ、いっか。

最後にそう思って片付けることにした。

なんだったんだろう。


食事は、努めて家で作るようにしている。

ひまつぶしに、
一体どれだけのレパートリーがあるのか、
書き出してみることにした。

ただ書き出すだけなら
メモ紙に鉛筆、もしくはエクセルでもよさそうなものだが
自分の日々の小さな頑張りを自分で褒めてあげたかったので
わざわざイラストレーターを立ち上げ、
お品書きに見えそうなフォントを選んで縦書きに。

基準は、
何も見なくても舌で味を覚えてるもの、
都度確認のためにレシピを開くが数回つくってるもの。

夕食を終え、おなかが空いていない状態でこの作業をするのは
思ったよりはかどらないということがわかった。
25を越えたあたりから、ちっとも進まなくなってしまったのだ。

25ってことはないよなぁ。
1年半も兼業主婦をしてきて、25ってことはないよなぁ。

素材を手に、献立に悩んでいるときには
なんとかいつものレパートリーの中のものが思い浮かぶんだから、
きっと25ってことはないよ、たぶん。
おなかが空いていないから思い出せないだけ。

そう言い聞かせ、
せっかくなので思い出した都度増やしていこうと思う。

ちなみにカレーは麻美のレパートリーに入れられない。
ダンナの唯一無二のレパートリーだから
取り上げるわけにいかないのだよ。


土曜の友人結婚式に出席するために大阪から来た、
7月に夫婦から一家に変わった友人と雨の日曜日にお茶をした。

その週末に初お目見えをしたあっくん。
そして同じくらい新鮮に見える、ママになったケーコちゃん。

過ごしたのはたった数時間で
目の当たりにしたのは「赤ちゃんがいる夫婦」の一部分だけど、
そのたった一部分の100%が新しいことに見え、
なにやらほんとうに・・・

うまい言葉が浮かばない。

なにやらほんとうに、
感心した。感動した。興味深かった。
大変そうだった。不安も覚えた。

でも、ステキで、うらやましかった。
まぶしくて、くすぐったいかんじ。
台風の影響を心配していたものの、
驚異的に天気が回復した土曜日。
夫婦して友達の結婚式に行ってきた。

ほんわかさがそのままその姿に出ていた花嫁姿。
一緒に参列した友達と共に
なんどもなんども「かわいいねぇ」と連発してしまった。
そして二言目には「もったいない」という言葉も。

花嫁のお兄さんがかっこよくてキャピキャピしたり、
花婿とその弟の激似な行動に笑ったり。

すこしずつ遠くなっていく自分たちの結婚式を思い出しながら
たっぷりとシアワセの空気に満たされてきた。

チャリンコ準・圏内であるご新居にぜひぜひ遊びに行って
はやくその夫婦っぷりをのぞきたいものです。