「むむ、これ、ほしい」
「欲」がポッと出した発言を合図に、
「善」とか「悪」、「理性」、「サイフ」、「事情」、「感性」、「収納」、「見栄」やら
そんなメンバーが、
それはもう猪のように ダダダッと駆け寄ってきて、
頭をつき合わせて審議しはじめる。
はて。買いか、否か。
たいていの買い物は、
そんなふうに集まったメンバーによって
実に多くの時間を費やして決められる。
「欲しいから買おう」
「お金がないからやめよう」
「かわいいから買おう」
「同じようなもの持ってるからやめよう」
「代用品がないから買おう」
「助かるから買おう」
「しまう場所が無いからやめよう」
「みんな持ってるから買おう」
まぁ、いろいろ。
が、ときどき、メンバーの上を疾風のごとく通り過ぎ、
過ぎ去った後にはまるで魔法がかかったかのように
満場一致の「買い」という結論を導き出すヤツがいる。
「直感」。
こいつが現れたとき、
なんびとたりとも、
それがたとえどんなに正当な意見であっても
もう結論を覆すことはできない。
「直感」は特別なときに出現することが多い。
たとえば、海外旅行時だったり、バーゲンだったり。
「直感」のスゴイところは、
瞬時の決断にもかかわらず、多くにおいて後悔を生まないこと。
「直感」の情けないところは
高額商品検討時にはなかなか出現しないこと。
一見同じように見えて、
「衝動買い」と「直感買い」はまったくの別物です。
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