夜、雪が降り始めた。
しずかに、しずかに、しんしんと、しずかに。
いつもの音は雪に吸いこまれ、
雪はアスファルトに吸い込まれる。
「つもらないね、きっと」
そういって布団の中にはいる。
翌朝、外は静かだった。
にっちもさっちもいかない、都心がマヒするほどの積雪。
出歩く人のいない、新雪。
「きょうはもう何もできないね」
布団の中にもどる。眠りにもどる。
ねむる。こんこんと。
ねむりつづけて、そのまま心も体も雪のようにとけて
家も布団もとけて
何もなかったかのようにとけてなくなる。
何も残らず、なくなる。
雪がいつかとけてなくなるように。
アタシのストレスの溜まり方はそんな感じ。
しんしんと。朝起きたらつもってた。
布団にもどるわけにはいかない。
とけてなくなるわけにはいかない。
PR