出社前に上原駅TSUTAYAに返却に、
井の頭通りの坂をシャコシャコこいでいると、
声をかけられた。
「すみませーん、東海大学ってどうやっていけば・・・」
片手には東海大websiteからプリントしてきたと思われる地図を持ち、
そろそろ暑いであろう、THE就活ルックの、困った顔をした女の子。
東海大代々木キャンパスね。
あー、うちの近所です。
でも、結構くねくね道。
どうやって説明すれば・・・
今度は麻美のほうが困った顔になってしまったよ。
挙句の果てに・・・
「一緒に行きましょうか?」
だって、説明できなかったんだもん。
まだ周辺の道を熟知してないし、
彼女の持っていた東海大地図はけっこう不親切で
麻美の説明を補助してくれると思えなかったし。
そんなわけで、ほぼうちに帰ることに。
返却?帰りですよ、そんなのは。
事務職員志望で、
他に成蹊大、立教大を受けたそう。
「そろそろ就活スーツも暑いでしょう」っていったら、
「でもまだ内定が出ていないので、がんばらないと」と。
「時間は大丈夫?」
「大丈夫です、11時50分からなので」
え?まだ1時間前ですよ。早すぎないか?
「駅降りたら坂ばかりでビックリしました」
「方向音痴なもので、毎回人に聞いてるんですよぉ」
「今日は面接と筆記なんです」
「得意な料理はなんですか、なんて質問があったりしました」
現役であれば22歳か。
22歳って、こんなに幼かったかな。
丸4年前には、麻美も都内てくてくしてたな。
制作会社はこれからが本番って時期だったな。
フラッシュバックです。
「この道曲がって、まっすぐ行けばみえるはずですよ」
「あ、ありがとうございます。
お忙しい中、本当にすみません。いってきます」
「あ、いってらっしゃい」
うまくいってくれるといいな。