朝から気分が悪い。
乗っていたバスが途中の停留所を20mほど通過した。
下車する客がいたのでその過ぎたところで停車。
運転手は「すみません、申し訳ありません」と謝り
若い男性客は黙ってイヤホンを耳に戻しながら下車した。
降りるか降りないかの瞬間
「なんで通過するんだよッ!」と中年男性が走ってきた。
「ここ、どこだよ!」と運転手に向ってどなっていた。
「すみません」と運転手。
しばらく中年男性のにらみをきかした空気。
ようやく発車した。
「降りる人がいなかったら通過してたのかよ。
バス停で待っていたんだぞ。」と中年男性。
運転手の返答は聞こえなかった。
「赤信号だから聞いてるんだよ」
小さなバスなので会話は隅々まで聞きわたる。
私は中年男性が視界に入るような場所にはいなかったが
何か動く気配がしたので振り向くと
バス前方に掲げてある乗務員のネームプレートを
ケータイで撮り、つづいて運転手の横顔も撮っていた。
「会社に電話してやるからな」
その後も昇降口の運転手に一番近いところに陣取ったまま。
他にも何か言っていた気がしたが、
アタシは外の景色を眺めて意識的に耳をふさいだ。
アタシは終点で降りたが、彼はそのひとつ前で降りた。
「電話するからな」と捨て台詞を残し。
運転手に過失がある。明らかに。
中年男性の言う通り、下車する客がいなかったら通過していただろう。
中年男性のほうが正しいのだが・・・
怒りをあらわにし、最後まで文句を言い、
小さなバスの車内の空気をかき乱した中年男性のほうが、
アタシ=居合わせた乗客にとって悪者に感じる。
中年男性の主張は間違ってないのだから
彼は怒りに任せるのではなく、他の言い方をすればよかったのに。
非難の色を帯びた言葉はあまり耳に入ってこないものだよ。
車内の空気までどんよりさせちゃって。
あーあ。
三連休を前に「今日行けば休みだぁ」と
おっとり乗車してるアタシの平穏な気分を返してほしい。
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