保健所送り。
ああ、なんと残酷で残念で、悲しい響きだろう。
これをうまーくベールに包んで表現したのが、
「老年パラダイスに送る」。
ミクシィでアプリをやっている人ならわかるかもしれない。
限られた資源で動物を育て、卵やミルクなどの生産物を売り、
売ったお金でさらに資源を拡張させ…といった農場ゲーム。
動物には死がつきもので、そこは巧みな表現で避けられている。
それが、「老年パラダイスに送る」というもの。
もう生産ができない老年期に入ると 動物はみずから
「そろそろ引退させてください」とか、
「もう老年になり働けません」「もう年だから歩けませんよ」といって、
老年パラダイス行トラックをプレイヤーに求める。
残念ながらゲーム上の農園では飼える家畜の数は限られ、
場所を取るだけなのでしかたない、「老年パラダイス」におくる。
パラダイス行のトラックをクリックし、引退させる動物をクリックする。
トラックの荷台に箱が現れ、びゅんとフレームアウト。
送ったら送りっぱなし、彼らのその後を知る由はない。
麻美がゲーム上でトラックを呼んだのを見て、
夫は「ああ、保健所送りだ、妻が残酷なことしてる!」と ちゃかした。
たしかに、これは、うん、なんと言おうか、かなしい。
もうひとつ農場ゲームをかけもっているが、
そちらは「寿命のため、農場を去りました」という表現で
時間が来ると自然にいなくなってしまう。
寿命までの残り時間が表示されるので
「そのとき」はわかるのだけど、
そのタイミングでゲームをしているとも限らないので
まぁ、「いつのまにかいなくなる」ように感じる。
まだこのほうが、「処分する」という感覚が薄くて
遊んでいるこちらにもダメージが少ないかな。
「老年パラダイス」のほうは、 もう止めようかなと思う。
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