食事に行く。
近所の中華屋さんでも、気取ったイタリアンでもよい。
時にカウンターで並び、時に四角いテーブルで向かい合う。
まず飲み物を頼む。
一杯目、夫はほぼ間違いなくビールで、
あたしは店によって、ビールかワインか、はたまた泡盛か。
飲み物を待つ間にメニューを眺める。
夕食の代替的外食なら個別にメニューとにらめっこをし、
デート的食事なら、前菜からメインまで相談する。
飲み物の到着とともに食事のオーダーをし、ようやく乾杯。
プハーッ。うまいねー。
さて、その後会話はどう続こうか。
カップルで、夫婦で、食事のときにどんな会話をするだろうか。
いまいち会話のネタに欠け、盛り上がらないのが少々悩みである。
ハタチのころから何度となくデートをし、
今は夫婦として少なくとも一日2食共にするのに、
いまだに「話のネタに悩む」なんていうのも変な話。
ちょっと不満でありつつ、
一方で、このスタイルの基礎が出来上がるのに十分な背景があるから、
仕方ないのかなと呑み込んでいる節もある。
ちなみにその背景、
ひとつは、デートにラーメン巡りが多かったせいじゃないかと踏んでいる。
本屋でラーメン屋を探す。
空腹でラーメン屋さんにたどりつく。
生唾ためてラーメンを待つ。
ラーメン到着と同時に、戦闘開始。
おいしいうちに、完食。 はい、ごっそさまー。
店を出てようやく、「おいしかったねー♪」と会話が始まる。
そう、ラーメンは時間をかけて食べる食事ではない。
一緒に食べに行ってるけれど、なんというか、同志である。
それぞれがそれぞれのラーメンと対峙してるので、
そこに横のラインで会話はあまり要らない。
会話が長引けばそれは麺のノビにつながるから。
そんなこんなで、食事のときに会話を楽しむ練習をしてこなかったのではないか。
もう一つの背景は、そもそも二人の性格にあるかと思う。
話がヒートアップしてくると、時々夫は論破せん勢いになる。
対するあたしは、絶対勝てることがないので、全力でうなづき、聞き流す。
これではもう、話のキャッチボールは成立せず、会話にならん。
そもそも、その結末を見越して、意見を問う話をふってないことに、今気づいた。
ふむ、どうしたものだろう。 世間はどんな会話をしているのだろう。
たとえばロマンチックなデートで、どんな会話をしているのだろう。
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